もの想うこころ

生きづらさと共感 四つの物語

著者|村井 雅美

¥2,420

  • ISBN|978-4-909862-07-9
  • 初版発行|2019年10月31日
  • 造本|四六判変型上製/たて組み
  • ページ数|144
  • 重さ|160
  • 心理
  • 精神分析/よみもの

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もの想うこころ
もの想うこころ

「共感」はいったいどこにあるのだろう?

声にならない声に耳を澄ませてひたすつら“こころをつかう”ところに「共感」は見つかるかもしれない

内容紹介

「奥歯の小さな穴ひとつにこころが詰まっている」

病気になると私たちは、そのことでこころが一杯になってしまいます。
そんな“からだの傷み”に溢れてしまった時、私たちは、
その現実を受け入れて立ち向かおうとするこころを、どこに得ることができるでしょう?

からだの傷みから沁み出る“こころの痛み”。
その苦悩をいっしょに理解しようとしてくれる人がどこかに居てくれると、
奥歯の穴という「とてつもない不幸」が、なんとか抱えられる不幸になる。
そんな経験を私たちは皆、もっているのではないでしょうか?

   ***   ***

それでは、目の前に「こんがらがった苦しみ」にさいなまれている人が居るとき、
私たちには何ができるでしょう? 
苦しみへの寄り添い方として、巷ではいろいろなアプローチが紹介されていますが、
この本では、新しい《共感》の可能性を、読者とともに捜します。

“記憶のはるか彼方にある情景”が浮かびあがり、その情景が二人のあいだで共有されるとき、
《生きづらさ》を生きる力が得られる。
――そうしたテーマをめぐって紡がれた
『からだの病いとこころの痛み』〔木立の文庫, 2019年〕のエッセンスを、
「四人」とのあいだの“内なるドキュメンタリー”として物語るのが、この本です。

著者・出版社からの一言

本書は、こころとからだが絡まりながら《生きづらさ》のなかを歩む四人の生きざまを活写します。
そして、その生きづらさを共にしようと傍らに居ること=《共感》のダイナミズムを描いています。
この「四つの物語」の背景には、じつに機微に富んだ人間学・心理臨床の領域での思索や体験が積み重なっています。
そうした先達の知恵と著者の呻吟が紡ぎあわされた書籍が、本書と同時に刊行されます。

『からだの病いとこころの痛み ―― 苦しみをめぐる精神分析的アプローチ』 〔木立の文庫, 2019年〕

本書の【四つの物語】にいくつかの補助線を引くことで、
「こんがらがった不幸」はどのようにしてこんがらがるのか? 
どのようにして「もつれ」を「ほぐす」ことができるのか? 
という難しい問いへのヒントがもたらされるかも知れません…。


そうしたことから本書の後半では、脚註欄の随所で、
そこでの記述が “同胞の書『からだの病いとこころの痛み』ではどのように描かれているか”
の一端が、案内されています。

著者紹介

村井雅美(ムライ マサミ)

1993年、ニューハンプシャー大学大学院心理学部博士課程中途退学。
帰国後、奈良県立奈良病院こども心療科・NICU科など新生児科・小児科での心理臨床に携わる。
2018年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(臨床実践指導学講座)単位取得退学。
博士(教育学)。
臨床心理士。
日本精神分析学会認定心理療法士スーパーバイザー。

もくじ

プロローグ:記憶の彼方に秘められた……

第一話 明日香 
    名づけられなかった声

第二話 みちる 
    絶たれた声

第三話 真 紀 
    出てこない声

第四話 理 香 
    寄る辺ない声

エピローグ:秘められた体験に耳を傾ける

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図書設計・デザイン

中島佳那子

装画・イラスト

中島佳那子(装画イラスト)

デザインの特徴

やわらかな砂を撫でるような触感の用紙「フリッター」に、
流れる川を模した筋は「青箔」で。
箱庭療法の箱で、砂を掘った底に現れる「青色」がイメージされて、
そこに「ものがたり」を旅する舟が浮かんでいます。

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