精神分析の再発見

考えることと夢見ること 学ぶことと忘れること

著者|T.H. オグデン

監訳者|藤山 直樹

¥3,960

  • ISBN|978-4-909862-21-1
  • 初版発行|2021年10月20日
  • 増刷情報|4th reprint 2022.07
  • 編者|清野 百合・手塚 千惠子: 訳者代表
  • 著者|石井 奈津子・大西 見也子・岡 達治・安尾 利彦: 訳
  • 造本|A5判上製/たて組み
  • ページ数|264
  • 重さ|460
  • 心理
  • 精神分析

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技法より“スタイル”

精神分析的な行き交ったとは?

1. セッションで語り合うなかで「創造」する

2. スーパーヴィジョン体験のなかで「再発見」する

3. 読み書きするなかで「夢見て」作り上げる

内容紹介

フロイトによって「無意識」が発見された19世紀末。諸派が理論・技法面で「精神分析」を発見していった20世紀。そして21世紀、「精神分析的なスタンス」そのものを再発見する本書が生まれます。――心理療法の学び方の根本を、1.クライエントとのあいだで、2.スーパーヴィジョンのなかで、3.読み書きするなかで、という三つの角度から見つめ直し、誰しもに開かれた「精神分析的な生き方」を唱えます。――著者は世界的に注目される分析家で、長く待たれた名著日本語版が、十年にわたる精訳の末に成書刊行となります。

著者・出版社からの一言

【まえがき】にもありますように、監訳者の藤山直樹先生(上智大学名誉教授: 元精神分析学会会長: 分析オフィス開業)が手塩にかけて育てて来られた「名著」待望邦訳となります。

巷では今でも「精神分析は“頭でっかち”(難解な理論)“冷たい”(突き放すよう)」といった“めんどうくさい”イメージがあるかもしれませんが、本書をよむと、精神分析がどれほど「生身の人間」を受け止める、「手触り」を大事にするスタンスであるかが、ひしひしと伝わってきます。

ぜひ精神分析の「となり」の領域に住まう“こころの専門家”に手にとって頂きたく思います。

著者紹介

T.H. オグデン (トーマス オグデン) (著)
1946年生まれ、マサチューセッツ州アマースト大学卒業、イエール大学にて医学博士号。精神分析家。国際精神分析協会会員、精神病高等研究センター所長。2004年、国際精神分析雑誌International Journal of Psychoanalysisにおいて論文賞を受賞して以来、精神分析関連の受賞多数。

論文・著書多数。
『「あいだ」の空間: 精神分析の第三主体』〔新評論,1996年〕、『こころのマトリックス: 対象関係論との対話』〔岩崎学術出版社,1996年〕、『もの想いと解釈―人間的な何かを感じとること』〔岩崎学術出版社,2006年〕など、20ヵ国語以上で出版されている。

藤山 直樹 (フジヤマ ナオキ) (監訳)
1953年、福岡県生まれ。山口県で育つ。東京大学医学部卒業。

日本女子大学人間社会学部教授、上智大学総合人間科学部心理学科教授を経て、上智大学名誉教授。個人開業。国際精神分析学会正会員・認定精神分析家、日本精神分析協会正会
員・訓練分析家、日本精神分析協会運営委員、日本精神分析学会運営委員、小寺記念精神分析研究財団理事長。

著書に
『精神分析という営み―生きた空間をもとめて』
『集中講義・精神分析 上/下』
『続・精神分析という営み―本物の時間をもとめて』
『精神分析という語らい』〔以上、岩崎学術出版社〕
『落語の国の精神分析』〔みすず書房〕 などがある。

共著に『転移/逆転移』『共感と解釈』〔人文書院〕
『精神分析の本質と方法』『夢、夢見ること』『愛と死』〔創元社〕 などがある。

訳書に
『こころのマトリックス: 対象関係論との対話』オグデン〔岩崎学術出版社〕などがある。

清野 百合 (セイノ ユリ) (訳者代表)
京都大学医学部卒業。精神保健指定医。
日本精神分析学会認定精神療法医スーパーバイザー。日本精神分析協会候補生。
現職:パークサイドこころの発達クリニック勤務、精神療法室個人開業。

著書に『トラウマとジェンダー―臨床からの声』共著〔金剛出版,2004年〕
訳書に『ビオン・イン・ブエノスアイレス1968』アグアヨほか編〔金剛出版,2021年〕
『精神力動的精神医学 第5版』ギャバード〔岩崎学術出版社,2019年〕などがある。

手塚 千惠子 (テヅカ チエコ) (訳者代表)
大阪市立大学家政学部児童学科卒業。
現職: 心理室森ノ宮。臨床心理士、日本精神分析学会認定心理療法士。

著書に『力動的集団精神療法』〔金剛出版,2010年〕
『精神分析と文化』〔岩崎学術出版社,2012年〕がある。

石井 奈津子 (イシイ ナツコ) (訳)
神戸大学教育学部卒業、大阪市立大学大学院生活科学研究科人間福祉学専攻臨床心理学分野博士前期課程修了。
現職: 甲子園大学、なんばながたメンタルクリニック。臨床心理士、公認心
理師。

大西 見也子 (オオニシ ミヤコ) (訳)
関西学院大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。
現職: おかじこころのクリニック、関西福祉科学大学非常勤講師。臨床心理士、公認心理師。

岡 達治 (オカ タツジ) (訳)
大阪大学医学部卒業。
現職: 医療法人岡クリニック理事長・院長。日本精神分析学会認定精神療法医スーパーバイザー。

訳書に『無意識の思考』マテ-ブランコ〔新曜社,2004年〕がある。

安尾 利彦 (ヤスオ トシヒコ) (訳)
甲南大学大学院人文科学研究科博士課程満期修了退学。
現職:大阪医療センター臨床心理室主任心理療法士。臨床心理士、公認心理師。

もくじ

第一章 精神分析を再発見するということ 
第二章 夢見ることとしての語らいについて 
第三章 精神分析的スーパーヴィジョンについて 
第四章 精神分析を教えることについて
第五章 分析スタイルの諸要素―ビオンの臨床セミナー 
第六章 ビオンの心的機能に関する四原則 
第七章 ローワルドを読む―エディプスを着想し直す 
第八章 ハロルド・サールズを読む 

図書設計・デザイン

中島佳那子

デザインの特徴

きょうだい本『第四の耳で聴く』と並んで映えるデザイン。
木立の文庫の上製本はすべて「角背」――そのことが強調されて
アクセサリーを入れる「箱」のような感覚も呈する造本。

なによりの特徴は、カバー&オビがトレーシングペーパーで、
表紙の色味が内側からにじみ出る風合い。

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書評