もうひとつの精神分析入門

こころというフィールドとの出会い

著者|G. チヴィタレーゼ/A. フェッロ

監訳 | 筒井亮太

¥2,970

  • ISBN|978-4-909862-34-1
  • 初版発行|2024年06月20日
  • 造本|A5変形(方形)判ハード並製
  • ページ数|240
  • 重さ|340
  • 心理
  • 心理療法/精神分析

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もうひとつの精神分析入門

この瞬間/この場(field)で、いったい何が起こっているか? ――この本では、精神分析をイチから学び直せます!

あらゆる心理支援・対人援助につながる《フィールド臨床学》――この本は、心理療法の新しい入口となります!!

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内容紹介

精神分析の歴史――①心の痛みを診る(フロイト)/②二人の交流を語る(ウィニコット)/③プロセスを捉える(ビオン)をお復習いし、この本では「もうひとつ」歴史が拓かれます――④空間そのものの語りに耳を傾ける(フィールド理論)――「この場=fieldで何が起こっているのか?」という感覚は、あらゆる心理支援、全ての対人援助につながります。私たちを取り巻く文化・社会・環境・空気… その「間柄aida-gara」や「場合ba-ai」を意識して臨床感性を磨く。そんな“フィールド臨床学”の誕生を告げる入門書です。

監訳者から ひと言

『今日……ここに来るの、しんどかった』
『この場は、落ち着くんです』
セラピーをするなかで、このような発言をするクライエントに、一度ならず会ってきました。きっと、私だけではないでしょう。――これらの感情の向かう先はどこなのでしょう?

不思議なことに、ここ日本においては、クライエントの多くが、治療者との関連で直接的に感情を表明しないようです――これはあくまで私の肌感覚なのですが。

監訳者から もうひと言

これまで私は「この現象は、文化的な要因に起因している」と、ぼんやり考えていました。つまり、クライエントは治療者に転移の文脈で感情を向けているのだけれども、その感情を直接的には表現できないために、婉曲的に伝えてきているのだ、と。

しかし、私はこの精神分析的“フィールド理論”と出会うことで、別の視点を入手することができました。ひょっとすると、クライエントは“面接空間そのもの”を話題にとりあげているのではないか? と考えるようになったのです。

著者紹介

チヴィタレーゼ Civitarese, Giuseppe: 1958-

フェッロ Ferro, Antonino: 1947-

イタリアのパヴィアで個人開業を営む精神科医であり、精神分析家。イタリア精神分析協会SPI所属の訓練分析家でありスーパーヴァイザー。国際精神分析協会IPAと米国精神分析協会APsaAの会員でもある。W.ビオンの理論を拡張した「ポスト・ビオン派フィールド理論」を提起。

監訳者紹介

筒井亮太(つつい・りょうた)

関西大学大学院心理学研究科修了。臨床心理士。 たちメンタルクリニック・上本町心理臨床オフィス勤務。 著書に『寄り添うことのむずかしさ』共著〔木立の文庫, 2023〕など、訳書には、カッツ『精神分析フィールド理論入門』共訳〔岩崎学術出版社, 2022〕などがある。

もくじ

第1章 精神分析とは何か?

   古い言語と新しい言語

   精神分析は癒すのか?

   誰のための分析なのか?

   分析家が耳を傾けることと、

   友人や家族が話を聞くことに違いはあるのか?

   信 頼 性

   セッション頻度の問題

   患者の訪れ

   夢はいつも中心にあるのか?

第2章 無意識の発明

   ジークムント・フロイト

   メラニー・クライン

   ドナルド・ウィニコット

   ジャック・ラカン

   ウィルフレッド・R・ビオン

第3章 夢と情動フィールド

   夢と夢世界

   フィールドの進展

   臨床作業における夢

第4章 治療のさまざまな道具

   催眠術からカウチへ

   何度も思い出すこと

   真実にむけた欲動

   情動的共奏

   転移性恋愛と依存

   分析フィールドのモデル

   原初的な心的状態と、到達不能な無意識

第5章 児童・青年の分析

第6章 精神分析はひとつなのか、

      それともたくさんあるのか

   無意識というバベル

   新しいコモン・グラウンドに向けて?

   イタリアにおける精神分析

用語解説

推薦図書

言語に耳を傾けること――日本の読者に向けた解題

図書設計・デザイン

上野かおる

デザインの特徴

イタリアの原書からの邦訳版――そのイメージを国旗カラー(緑・白・赤)で表現。 変則判型がA5判と四六判の特性を表現している(仕上寸法のタテが四六の188mm/ヨコがA5の148mm)。 すなわち、A5判の「専門書」感と四六判の「よみもの」感をともに体現しようという狙い。 次に、波形にカットされたカバーで巻かれた、むきだしの表紙が印刷ではなく「紙そのものの色」で強い存在感を出している。 その表紙の文字は「白箔押し」でクラシカルでシックな調子、対照的に波形カバーはベルベットPP加工によって現代的でポップな肌触り。

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