逃げるが勝ちの心得

精神科医がすすめる「うつ卒」と幸せなひきこもりライフ

著者|加藤 隆弘

¥1,980

  • ISBN|978-4-909862-30-3
  • 初版発行|2023年07月30日
  • 造本|四六変型(スリム)判並製
  • ページ数|224
  • 重さ|240
  • 心理
  • うつ/ひきこもり

購入はコチラ

小さ子社/リトルズとの共同Webショップへ移動します

逃げるが勝ちの心得 逃げるが勝ちの心得 逃げるが勝ちの心得 逃げるが勝ちの心得
逃げるが勝ちの心得
逃げるが勝ちの心得
逃げるが勝ちの心得
逃げるが勝ちの心得

ためし読み

試し読みはこちら

内容紹介

こんな実験が…「抗うつ薬を与えられた(前向きになった)ザリガニは共食いされやすい」と。ことほど左様に、動物界では“逃げる”(後退する)ことは生き延びるため不可欠。翻って人間はというと…大谷選手のHRがコワくて敬遠するとブーイングの嵐。なかなか“逃げ”られません――本書では、自分が壊れるまえに“逃げる”大切さを、実例をもとに説いて、“逃げ上手”のコツを伝授。誰にも訪れる「逃げどき」に備えましょう! ひきこもりの当事者・援助者にもお薦めです(著者は九州大学病院「ひきこもり外来」主宰)。

著者・出版社からの一言

この本では、著者が率いる「ひきこもり/うつ病の専門外来」〔九州大学病院気分障害ひきこもり外来〕および「ひきこもり研究ラボ@九州大学」での知見をもとに、こころを護るための“逃げる”ヒントを、読者の皆さんに伝授します。

逃げるは「負け」、逃げるは「悪」になりがちな日本社会に、“逃げる”の未来を描いてみませんか。逃げられずに苦悩している方、「逃げて負け」になってばかりの方、ひきこもりの方、そして、そうした方々の援助に携わる皆さん(とくに、医療・福祉・教育・心理分野の初学者)にも、ぜひ読んで頂きたいです。

著者紹介

加藤 隆弘

●1974年: 鹿児島県生まれ。
2000年: 九州大学医学部卒業。医学博士。
精神科医、グループサイコセラピスト、精神分析家。

●九州大学病院・牧病院・鮫島病院で精神科研修後、
2005年より精神分析訓練と精神免疫学研究を開始。
2008年: 日本学術振興会特別研究員、
2011年: 米国ジョンズホプキンス大学精神科「日米脳」派遣研究員、
2013年: 九州大学レドックスナビ研究拠点特任准教授(脳研究ユニット長)、
2017年: 九州大学病院精神科神経科講師を経て、2021年より現職。

●現在: 九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学 准教授。
九州大学病院「気分障害ひきこもり外来」主宰。
○専門は精神分析・集団精神療法・精神免疫学・うつ病・自殺予防・ひきこもり。
2012年米国から帰国後、多様化する「うつ病」や「ひきこもり」の病態解明と治療法開発のための専門外来(気分障害ひきこもり外来)を立ち上げるとともに、脳と心の橋渡し研究ラボ(九大精神科分子細胞研究室:ひきこもり研究ラボ@九州大学)を主宰。

もくじ

こんにちは
プロローグ――逃げにくい……この国の住人たち 

前篇 逃げることは なかなか難しい

第1章 逃げるのは、よくないこと?
うつは恥ずかしい? こころの病気は隠したい
逃げないうつ 恥・罪から生じるタイプ
逃げるが負け? 新型/現代型うつ
ひきこもり 社会のなかで上手に逃げられない
逃げないこころは美しい? 語られない伝承
仕事を休めない 戻ったらどう思われるだろう

第2章 逃げる? 逃げない??
わたしとあなたのこころの距離
先生から逃げない子どもたち

第3章 逃げないこころの正体
逃げる/逃げないの葛藤に気づく
こころの奥の訳者たち
逃げて勝つ動物界
人間界でも、生き延びるためには……

後篇 逃げることは なかなか潔い

第4章 逃げるアクション! スタート
話して放す 捨て台詞を吐く
逃げる勇気 ゲームセットの前に
「居場所」の居心地 居留まる安心感
逃げて負けても 人生の第一ラウンド
出る杭は打たれる? そんな社会から離れる
まずは準備を アクション第一ステージ
プチ逃げのすすめ 積極的に休む
「逃げる」を許容するこころ もうひとつのマインドセット
逃げ時を見極める 生きづらさのモニター
二足の草鞋を履く むかし気質の人こそ逃げて
逃げるアクション 支援のためのステップ

第5章 究極の「逃げ場」づくり
幸せにひきこもるために
危険な逃げ場
精神科に逃げよう!
逃げるこころを見つめる
○○しなくてもよい場
居ながらにして逃げる
逃げたい/逃げるのからくり

上手に逃げるための卒業式
エピローグ
あとがき

図書設計・デザイン

中島佳那子

装画・イラスト

おがわさとし(挿画・装画ともに)

デザインの特徴

この本に登場する10名の人物、巻頭では「逃げる気」になれず八方ふさがりだったのが、立ち止まって「逃げてみようか」と考えることが出来るようになった様子が、描かれています。“逃げる” 手前までのプロセスを丁寧に計画しましょう! という本書のメッセージを宿しています。

関連書籍

書評