箱庭ものがたり

こころの綴りかた教室

編著者|菅 佐和子

¥2,640

  • ISBN|978-4-909862-08-2
  • 初版発行|2020年01月23日
  • 著者|菅 佐和子
  • 造本|四六変型判上製/たて組み
  • ページ数|200
  • 重さ|150
  • 心理
  • 箱庭療法/よみもの

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こころの井戸を掘ってみませんか

おとなの砂遊びと“お話づくり”で、秘めたる「わたしの物語」に出会ってみませんか?

内容紹介

わたしたちは知らずと、周りに「適応」し「競争」し、常に「上昇」することを求められていないでしょうか? 他人と比べて焦ったり落ち込んだり、人間関係のストレスも。孤独は寂しいけれど、人と居ると息が詰まって「どこかへ逃げ出したくなる」……。
 誰しも、「これがわたしの望んだ生活? わたしらしい生き方?」と、こころに“渇き”や“疑問”を覚えることがあります。そんな日々に耐え続けると、心身が悲鳴を上げます。うつ状態になったり、からだが不調になったり……。


 「溢れそうな思いをよくわかってくれる人に聴いてほしい」「気持を整理したい」といった思いも、多くの人が抱いているのではないでしょうか。そのような思いに応えた本書は、自分だけの“こころの井戸掘り”に親しんで頂くための、ささやかな試みです。
 この本で紹介する《箱庭ものがたり》ワークでは、両腕で抱えられる程の木枠の「砂場」で、森や海や動物の“いのち”と交歓するなか、自然と“こころとからだ”が語りあいます。普段は胸に届かない「声」が受けとめられて、わたしだけのファンタジーが紡ぎだされます。

著者・出版社からの一言

心理カウンセリングや「教育・福祉・医療」分野で活躍している《箱庭(はこにわ)療法》(60×70cm四方の木枠〔内側は青色〕にサラサラの砂を敷き詰めて、そこに、沢山のなかから選んだ人形を置いていって、こころのシーンやストーリーを展開する技法)は、
サンドプレイ(砂遊び)セラピーとして諸外国で重用され、日本でも心理療法や「こころのケアの現場でのコミュニケーション・ツール」として定評を得て、浸透してきました。

その伝統ある《箱庭》を、心理療法としての位置づけから広げ、一般的に展開させる試みが本書です。くわえて斬新なのは、砂の上にフィギュアを置くという造形に「おはなし」を添えることで、つくり手の「ファンタジー」がさらに豊かに表現される点です。

この《箱庭-物語法》もじつは長く実践・研究されてきたものですが、本書では、この「おとなの砂遊び」をもっと、誰もがアクセスできるワークとして知られることを目指します。ストレスの絶えない日々の生活に潤いをもたらす「こころの井戸掘り」体験を、六つの実例とともに易しく紹介するこの本を、ぜひ広く手にとって頂きたく思います。

著者紹介

菅 佐和子 (スガ サワコ)
1949年生まれ。
1977年京都大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学、教育学博士。

愛知医科大学精神科、愛知女子短期大学勤務を経て、
1991-2013年: 京都大学医療技術短期大学部・京都大学医学部保健学科・京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻教授。
2013-2015年: 関西看護医療大学教授。
2015-2018年: 京都橘大学健康科学部心理学科教授。

現在、深草YYOS研究所。
臨床心理士。

もくじ

はじまりの章 箱庭ものがたりの誕生
   はじまりの始まり/抒情の力/内面の秘密を語る

【こころの井戸を掘る】

第一章 うしなうことを巡って
   喪の語りと詩歌/翔の感じていたこと/見守り手の眼差

第二章 つながりをつくる旅
   旅のはじまり/前川氏の感じていたこと/見守り手の眼差

第三章 道はつづく
   気づいていない何か/茜さんの感じていたこと/見守り手の眼差

【わたしとのダイアローグ】

第四章 穏やかに、静かに
   内なるつながり/理香子さんの感じていたこと/見守り手の眼差

第五章 わたしという物語
   わたしだった私/冬美さんの感じていたこと/見守り手の眼差/五年後の冬美さん

第六章 旅のふかまり
   かさなる対話

おしまいの章 箱庭ものがたり物語
   ものがたり研究/研究ものがたり/クライエントのものがたり/
   これからの箱庭ものがたり/ものがたりに惹かれて

図書設計・デザイン

中島佳那子

装画・イラスト

中島佳那子(装画イラスト)

デザインの特徴

やわらかな砂を撫でるような触感の用紙「フリッター」に、
流れる川を模した筋は「青箔」で。
箱庭療法の箱で、砂を掘った底に現れる「青色」がイメージされて、
そこに「ものがたり」を旅する舟が浮かんでいます。

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