悲しみに親しむ心
対人援助のまなざし
著者|大築 明生
¥2,420
- ISBN|978-4-909862-31-0
- 初版発行|2023年09月20日
- 造本|四六変型(スリム)判上製
- ページ数|224
- 重さ|320
- 心理
- カウンセリング/人間性心理学
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苦しみ(症状)を大切にする臨床心理学
悲しみをまなざす深層心理学
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内容紹介
人の話を聴いてふと心を動かされる時、どこか“切なさ”を伴った“親しみ”のようなものを感じることはないでしょうか? それが「悲しみ」の感覚だとして、著者はその「悲しみ」こそが、人と人がつながる要と考えます。本書は、心理相談はじめ全ての対人援助職が、日々の営みのなか保っておきたい感覚を、現実の「困りごと」場面ごとに呼び覚ましてくれます。――領域横断型の「臨床心理」オールマイティ手引書。骨子としては、タテ糸:深層心理学/ヨコ糸:ロジャーズ人間観で織られた、誰もが親しめる入門書です。
著者・出版社からの一言
私たちが真剣に自分を見つめるのは、苦しいときです。「どう生きたらよいか」などという容易に答えが見つからない問いは、苦しくなければ考えません。本当に苦しく危機だからこそ、私たちは謙虚になり真剣になり、本当の安心を求めようとするのです。――私は、自分の限界を認め、「何ともならない」という事実を認めるのは、とても勇気あることだと思います。……
著者紹介
大築 明生
1951年、茨城県生まれ。公認心理師。民間企業勤務を経て、36歳のときカウンセリングの世界に入る。茨城カウンセリングセンターでカウンセラーとして活動し、同センターの副理事長を経て、2021年に退職。在職中は、職場、家庭、人生、心身の不調等の相談に携わる。また、メンタルヘルスやカウンセリングに関する研修や講演、エンカウンター・グループのファシリテーター、大学や看護専門学校の非常勤講師などを担当する。
もくじ
序 章 生きることに悩んだとき
第一章 人の成長と回復を支えるもの
悩む自分
もうひとりの自分
第二章 人を支える対話――聴いて理解する
安心の関係は出会いから
相談を受けるときの二つの姿勢
苦しみや悲しみを抱える人が求めるもの
聴いてもらっている手応え
安全な関係とは
否定的な感情への対応
心の相談の流れ
聴く力をつけるために
第三章 症状やストレスへのまなざし
症状への理解
症状の回復へのまなざし
身体症状の理解と回復
問題行動の理解と回復
精神症状の理解と回復
第四章 トラウマからの回復
トラウマ(心の傷)とは
PTSDの主要症状と種類
トラウマからの回復
聴き手の重要性
語る先に見えるもの
終 章 生きる安心を得るために
図書設計・デザイン
寺村隆史
装画・イラスト
坂本伊久子(挿画・装画ともに)
デザインの特徴
おなじ「青の書」に、同デザイナー&同イラストレーターの手になる『哀しむことができない』がある。そちらは、“飛翔”する青だった。翻って今作は“深みへと潜行”する青…! いのちを育む「慈しみ」の海を想わせます。