身になる禅のことば

連載

身になる禅のことば

禅語はしばしば、“精神”修養の指針や標語として引用されたり、
またそのようなものとして解説されたりしています。
もちろん、それはそれで結構なことでしょうが、私はもっとソマティック(somatic)な、
つまり“身体”的な文脈で禅語を理解できないものか、と愚考してきました。
禅語のすべてではないにしても、かなりの数の禅語は、
われわれの“生身のからだのあり方”についての禅からのメッセージとして
受けとめるべきではないかという気がしてならないのです。
禅は日々の修行を通して“真実を自分の身に体現する”ことを何よりも大切にする伝統です。
「お前が悟ったというのなら、悟った息をここで見せてみろ」と言われるのですから、
禅語は最終的には身になるものでなければならないはずです。

このたび、そのような「身になる禅のことば」と思われる禅語を自分勝手にいくつか選んで、
短い評釈を加えるという連載の機会を与えられました。
この目論見、果たしてどこまでうまくいくのかわかりませんが、
お付き合いいただけると嬉しいです。

藤田一照

【木立の文庫 ダイアローグ部より】


Webエッセイ初の試みとして、
藤田一照先生の評釈に連想・着想を得た短文を
[あいの手]として掲載します。
京都大学の西平直先生は
毎回どんな[あいの手]を入れてくださるのか、
併せてお楽しみください。

藤田一照藤田一照(ふじた・いっしょう)

愛媛県生まれ。
東京大学大学院(発達心理学を専攻)在籍中に坐禅に傾倒、29歳で得度。 33歳で渡米し、17年半にわたって坐禅を指導。2005年に帰国後も、坐禅の研究・指導にあたる。曹洞宗国際センター前所長。Starbucks、Facebook、Salesforceなどアメリカの大手企業でも坐禅を指導する。
2017年、オンライン禅コミュニティ「大空山磨塼寺」開創。
最新著:『学びのきほん ブッダが教える愉快な生き方』(NHK出版 2019年)
●公式サイト http://fujitaissho.info/

西平 直西平 直(にしひら・ただし)

1957年、山梨県生まれ。
東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。
2007年より、京都大学大学院教育学研究科教授。
アイデンティティ、スピリチュアリティなどの問題意識のもと、「稽古」哲学や「無心」論などにも力を注ぐ。
近著:『誕生のインファンティア』(みすず書房 2015年)
『無心論』松木邦裕と共著(創元社 2017年)
『ライフサイクルの哲学』(東京大学出版会 2019年)

fujita-and-his-frends
2018.2.23(於: 河道屋 養老)