木立のカフェ

まちかど学問のすゝめ 其の八(前編)

《木立のカフェ》はヴァーチャルでリアルな喫茶店。マスターの村井俊哉さんが京都市内の喫茶店をぶらっと訪れて、お客さまと「こころとからだ」「文化・社会」について語り合います。

教養って…本当に必要?

● 村井俊哉:1966年生まれ、京都大学医学研究科精神医学教室教授
● 深尾憲二朗:1966年生まれ、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授
● 常連さん:1967年生まれ、勤務編集者を経て、出版プランナー

常連さん
常連さん

まだまだ息の詰まる日々が続きますが、皆様はどんなところに「しゃべり場」をお見つけでしょうか? 木立のカフェは、今回もオンラインで「おしゃべり」しました。
前回の“教養”をめぐるトークのあと、マスターの村井俊哉さんから次のような話題提供がありました。

村井俊哉
村井さん

精神医学では古くから《身体論 vs 精神論》論争がありますが、実は、その論点よりもさらに本丸のところにある論点が、《反知性主義 vs 教養主義》というようにも思えてきました。
反知性主義は「教養主義 = elitism と権力の結びつき」を批判しますが、精神医学における権力のサイドが精神論者側から身体論者へと移行した歴史のなかで、精神論者の言説のトーンは「教養主義から反知性主義へと転じた」のではないか?
一方で、身体論者の言説には、その逆のことが起こったのではないか、とかいったことを考えました。

常連さん
常連さん

頭のゆったり出来ているカフェ常連としては「歯ごたえたっぷり」そうな話題に不安はありましたが、身体論/精神論には興味もあってワクワクと臨みました。
前回と同様、お客さまに深尾憲二朗さんをお招きしています。さてさて、どんなカフェタイムを皆様とご一緒できますでしょうか……!


マスター:村井俊哉(むらい・としや)


お客さま:深尾憲二朗(ふかお・けんじろう)

1966年生まれ、京都大学大学院医学研究科講師を経て、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授
専門は、臨床精神医学、臨床てんかん学、精神病理学
著書に『思春期:少年・少女の不思議のこころ』(ミネルヴァ書房 2018年)、『精神病理学の基本問題』(日本評論社 2017年)のほか、村井俊哉・野間俊一との共編著に『精神医学へのいざない:脳・こころ・社会のインターフェイス』(創元社 2012年)、『精神医学の広がり:拡張するフィールド』(創元社 2013年)、『精神医学のおくゆき:深化するパラダイム』(創元社 2015年)がある


■編集協力:越川陽介(こしかわ・ようすけ)
関西医科大学精神神経科学教室研究員、臨床心理士・医学博士( “木立の文庫”企画広報フェロー)